「俺は常識がないんでね」
「うん、かけらもない」

・・・我慢我慢。

「っ!ゴホッゴホッ!!」
突然空が咳き込む。
「おい!?大丈夫かよ!?」
「へ・・いき・・・ケホッ」

「チッ」

俺は空の背中をさすった。
俺の柄じゃねぇ・・・


「もっとひどくな・・る」
「黙れ」
「・・・ん」

俺意外と偉くね?
左手で小さくガッツポーズ。

「ゆう・・・が」
「ん?」

珍しく“あ?”と言わない。

「はるにっ・・・
綾にビー玉・・・見せるなって
言っといて・・・」

はるとは遥のことだろう。
別にもう言ってしまっても
いいんじゃないか、と思う。
綾乃に本当のことを。

「お前なぁ?
もう少しわがままになろよ」
「今わがまま・・・言っ・・た」

「はぁ・・・」
とりあえず俺はメールを打った。