Comfortable

―――……


それからの記憶はあまり残ってない。


ただ。ひたすら生徒会の仕事をやっていた気がする。


あたし達、生徒会実行委員はこれから始まる体育祭の事で忙しく何も考える余裕がなかった。


この忙しさのせいか気が付けばどんどん日にちは過ぎ去っていきカレンダーを見たらあの刹那と距離を開けたいと告げた日から1週間もたっているのに驚いた。


あたしはこの忙しさのおかげで孤独感に襲われることもなくしっかり自分を持っていた。


「結花、この書類チェックよろしくねー」


語尾に音符がつくようなノリで言った真綾はあたしに山のような書類を渡してきた。


「これ・・何?」


「過去の体育祭の生徒のクレーム」


山のような書類には確かに1枚1枚手書きで生徒の意見が書かれていた。


あたしは鞄から眼鏡をだしそれをかけてから書類を1枚1枚チェックすることにした。


あたし達生徒会実行委員の毎日はこんな感じで過ぎ去っていくから家に帰るときはみんなヘトヘトでもう家に着くなりすぐ寝ている。


あたしが全部書類を見終わったときにはもうとっくの昔に陽は沈んでいて真っ暗だった。


「あ、春原おつかれさん」


書類チェックをし終えたあたしの姿を見て会長はあたしにコーヒーを煎れてくれた。


「ありがとうございますっ」


あたしは会長からコーヒーを受け取り飲んだ。


苦いブラックコーヒーが疲れをとってくれるような・・・そんな感じがした。