Comfortable

相変わらず刹那の言葉が頭から離れない。


「―――原、春原!」


自分の名前を呼ばれている事に気づき慌てて席から立ち上がる。


「は、はい!」


目の前には教科書を持った先生が怒ったようにあたしの前に立っていた。


「どうしたんだ、春原。お前が考え事なんて珍しいな」


「い、いえ別に・・・」


あたしは苦笑を浮かべながら先生に言う。


「まぁ、いい。とりあえずこの問題解いてくれ」


先生はそう言うとあたしに白色のチョークを渡した。


あたしはそのチョークを受け取り答えをすらすら黒板に書いていった。


教室の中は珍しく静寂であたしがチョークで黒板に答えを書いている音以外何も聞こえない。


あたしが今、解いているのは数学の問題。昨日、予習していたからできた問題だった。


「できました・・・」


コツンとチョークを教卓の上に置き先生がいるほうを見た時、偶然笹山と目が合いすぐさま逸らしてしまった。


別れた後だから目とかが合うとかなり気まずい・・・。



「さすが学年主席。正解」


先生はそう言ってあたしが書いた答えに赤のチョークで丸をつけた。


「できるからってあんまり授業中にボッーとするなよ」


先生はあたしにそう言うと次の問題の解説にうつり始めた。


あたしはそんな先生の発言を聞き心の中で溜め息をついた。


・・・あたしらしくなさすぎるよ・・・


刹那が言ってたことはあたしを元気付けようとした、ただの冗談なんだから本気にしちゃダメなんだよ・・・