Comfortable

「ただいまあ･･･」


大きな声で扉を開けて玄関に入る。


「お帰り、結花･･･」


低い声のトーンで正面の階段から降りてきたあたしの弟の蓮（れん）


「どうかした？蓮があたしを迎えに玄関まで来るなんて珍しいじゃん」


あたしがそう言うと蓮は「別に」といって上に上がっていってしまった。


相変わらずマイペースだな･･･。


あたしは階段ののぼり自分の部屋の扉を開けると着替えもせずにベッドに寝そべった。


寝転んだ途端睡魔が急に押し寄せてきた。


あたしはそのまま目を瞑り眠ることにした。




―――･････



早朝の体育館。


美月がいるかもと思って早起きして来てみたのはいいけど誰も居なかった。


あたしは溜め息をついて女子更衣室でジャージに着替えオレンジ色のバスケットボールを持って体育館まで移動した。


狙いをゴールに定める。


集中力が勝負。


あたしは深呼吸をしてからリングを狙ってボールを放つ。


緩やかな弧を描き入ると思ったボールはリングから弾かれた。


やっぱり、集中力切れてるのかな･･･。


あたしはそんなことを考えながらボールを拾っていると


「あれ、結花？早いね」


そう言って姿を現した美月と刹那。


「あ、うん。練習でもしよっかなっと思って」


あたしがそう答えると美月はあたしに抱きついてきた。