洗面所に、どのくらいいたのだろうか。

どうやってベッドまで戻ったのか覚えていない。
俺はまさに、放心状態だった。


時間だけが過ぎた。


翌朝目が覚めても、部屋には俺一人だ。


結子さんはいない。

これが現実。



結子さんがいない部屋を見渡す。


この部屋、こんなに広かったっけ…?

何の物音もしない。
一人って、こんなに寂しかったっけ…?


結子さんに会いたい。
結子さんの声が聴きたい。
結子さんに触れたい。


「結子さん…。」

思わず出た言葉。それでも返事はない。