「ほら！！もう、すっごいドキドキしてるんだからね！！」

確かに、結子さんの胸の鼓動は速かった。
ドキドキドキドキ…。


でも、それ以上にドキドキしているのは俺のほう。
結子さんに手を握られ、手のひらには何か柔らかいものがあたっている。
あと数センチずれていたら…。



「ゴメンなさい、結子さん！！もうしませんから！！」

急いで結子さんの胸から手を離した。
かなり名残惜しいが、もう無理だ。


それにしても、なんてかっこ悪い謝りかただよ。
子どもが母親に叱られて謝るみたいな…。



女の人に手を握られて、胸の柔らかさにドキドキして…。
これじゃあまるで、中学生みたいじゃん。
俺かっこ悪すぎ。