1位が嬉しかったのか、鼻歌なんかうたってる。


「結子さん今日はずいぶんゆっくりだけど?」

「今日はバイトないの。久しぶりの休みだから、何しよっかなぁ~。」

「そうなんですか。じゃあ俺、そろそろ出かけますね。」


結子さんは、まだ朝ごはんを食べている。

「いってらっしゃ~い。忘れ物しないでね~。」


なんで結子さんは、あんなこと言ったんだろう…。



「た~くま。」

大学に着くなり、康介に呼び止められる。
康介は、約束通り結子さんのことは秘密にしててくれた。
結子さんとの同居のいきさつを簡単に説明したが、康介は妄想モードだった。
さすがに、結子さんが無職のホームレスなことは言わなかった。


「お前、いいよなぁ。親公認の同棲。もうやりたい放題じゃん。」

結子さんの行動を思い浮かべる。


「結子さんのほうが、別の意味でやりたい放題だよ…」

「まじで!?結子さんからせまってくるなんて…。考えただけで、鼻血出そう。」

康介は一体なに勘違いしてるんだ?
かみ合ってるようで、かみ合ってない会話。