7日目の恋




私の頬にあたる冷たい風。



かすかに匂う塩の香り。



ザザ―…ザザ―



耳に響く海鳴り。




ここは………




「海……」




キラキラと光る黒い海。





「もうちょっと近くまで行こうか!」


先生に手をひかれる。






「海だぁ……」



海なんて、何年ぶりに来ただろう…



昔はよく家族で来てたなぁ。

今思えば懐かしい。



「でかいなぁ…!」

桐谷先生はそう言うと大きく腕を空に向かって伸ばす。



「ほんと…大きいね」



私の熱くなった目を冷たい潮風が冷やしていく。