「まー…確かにそうだけど…無理には聞かないから、言いたくなったら言って?」
「わかった…」
なーんだ…聞かないんだ。
でも…
安心した。
「後さ~…」
桐谷先生が眼鏡をかけなおす。
その仕草がまた、可愛くて…可愛くて…
胸がギューって
なったんだ。
「お前は知らないだろうけど先生なぁ、実は桜井の事前から知ってんだよ…。」
え…??
嘘…。
何で??
「多分…お前が小学生の時から。」
あまりの事に声が出ない。
「……」
「びっくりした?先生も、初めびっくりしたんだよ~…お前を見た瞬間まさかって思ったよ…」
「何で?…私の事知ってるの??」
桐谷先生に会ったのは塾に行きだしてからのはず…
何で?
「ん~…何でかは秘密だけど、ちゃんと知ってるよ♪…お前の笑顔は最高って事と、1番…笑顔が似合うって事は」
そう言った桐谷先生は…やんちゃな子みたいに、ニカッって笑って私の頭をポンポンと軽く叩いた。
その優しい笑顔が嬉しくて…
又、
胸が苦しくなった。
