「加藤が来てるなら今回も一位確定だなー」
「いやー、とにかくうまいもんだ」
「滑りが違う!」

大会では彼を絶賛し、特別視する声が響いていた。

私の所属する、ど田舎スキーチームの中でも彼への羨望は例外ではなかった。

《どれどれ、どんな奴なんだろう?
素晴らしい名誉を手にしている加藤君とやらは…》

ちょっと好奇心で彼の姿を追ってみた小学5年生の私。