ラブレター

元々有名人の加藤君の情報を知るのはとても楽だったし、住む場所が違っても大会があるうちはしょっちゅう顔を合わせることができる。


当時同じチームの一つ上に気になる存在の男の子がいたが、加藤君に憧れるようになってからは、他の男の子が何となく色褪せて見えたものだ。


私の周りには、女の子の前だと照れてしまってわざと冷たくしたり、いじめたりする男の子が普通だったが、加藤君やその周りの男の子たちは同い年だと言うのに大人びていた。
だから女の子にも気軽に声をかけたり、仲良さそうにご飯を食べたりしているのだった。


《あんな男の子周りにいない…》

私は幼いながらも自分の立場と加藤君の置かれている立場は分かっていたから影で見ているだけだった。