気づけば、あなたが

佳奈は今、幸せの絶頂にいた。


自分で勝ち取った恋の勝利者。



陽介の優しさを知っていたから・・・


佳奈にとっては、一緒の高校に行けなかったのは残念だが
それよりも、確実に陽介を振り向かせたのだから、それで満足だった。



佳奈の表情は、満面の笑みを浮かべていた。



自分は今、とても幸せなのだから・・・



もし佳奈に、一抹の不安があるとしたら杏の存在だろう。



佳奈は杏が、あの高校を受験した理由もリサーチしていた。


大好きな先輩がいるから。



それだけの理由があれば、何とかなりそうな予感がしていた。



陽介と仲が良いと言っても、ただのクラスメート。



先に彼を恋人にした方が、断然 有利に決まっている。


佳奈の不安は、そこで自信に変わっていった。


佳奈は受験に失敗することも、ある程度
計算に入れていたのだろうか?