気づけば、あなたが

紅南校で杏を置いて佳奈の後を追った陽介は、自分の行動が考えている事と全く逆なのを感じていた。



佳奈を追いかけて結局、学校まで戻ってしまった。

佳奈は涙がしばらく止まらず、ずっとハンカチで顔を覆っている。


こんな時は何を言ってもダメなんだろうなと彼は思った。



杏は怒っているだろうか・・・?


何故かそんな考えがよぎった。



先に帰るって伝えておけば良かった・・・。


陽介の頭の中を色々な言葉が飛び交う。




バスを降りた後も、真っ先に職員室へ寄った。



三年生はチラホラ戻って来ている。


佳奈を職員室まで連れて行ったがなかなか入ろうとしない。


一目瞭然、佳奈が落ちたのは他の生徒達にも理解できた。



陽介は佳奈の手を取って中に入る。



ようやく佳奈は一人で担任の席に行った。


陽介も担任の所へ行き受験結果の報告をした。


しかし、それも早々に終えて、職員室前の廊下で佳奈を待っていた。



何で俺・・・こんな所で待ってるんだ?



そんなふうに考えている間に、佳奈が出て来た。


そして陽介に寄り添うように並んで階段を上がって行った。