一方、陽介は杏のパジャマ姿がやばいくらいに目に焼き付いている。



昨日の事といい、触れてはいけないものに触れてしまった感じだ。



「杏のパジャマかわいかったね」


佳奈は美波に言うと


「フリルいっぱいだし、ちょっと杏にしては意外だよね」



女子はパジャマの話題に夢中だった。



「陽介!」


本田は後方を歩く陽介に声を掛けた。



「これから俺んちに寄らない?」


「あっ、ああ」



「アレ? なんか元気なくないか?」



「いや」



「ふーん」


「俺、悩める少年になりそう」


「なんだ、それ」


本田は笑った。



美波は佳奈と別れた後、陽介達とまた合流した。


「なんか疲れちゃったって感じね」



美波は陽介の顔を覗き込んだ。


「アイツひとりではしゃいでたじゃないか」


「佳奈はそういうキャラなのよ」



「そうだ、美波もヒマなら俺んち来いよ」


本田は美波を誘う。


美波は頷いた。



「やっぱ、美波といる方が気が楽だな」



陽介はチラッと美波を見て言った。



美波はそう言われてちょっと嬉しそうに笑った。



そう、ここに杏もいれば・・・


陽介はふと思った。