気づけば、あなたが

午後になると
一年生は各部活動の説明を受けに それぞれが移動した。



杏は真っ先に陸上部の教室を訪れた。


他に何十名かいて、
やはり女子が多い。



お目当ては勿論、
神崎先輩だろう・・・


杏は何だか
こんか人たちと
一緒にされるのが嫌だった。



確かに自分も、神崎先輩を追って この高校を選んだが、
陸上競技が大好きと言う気持ちは変わらない。



だからこそ、あらゆる大会で常に上位を占めていたのだ。


中途半端な気持ちじゃ 絶対に無理!!



そう思う杏の表情は誰よりも輝いていた



やがて、部長、副部長が教室に入って来た。


周囲が、ざわつく。



杏は窓際の席から、
神崎を見つめる。



・・・やっぱり、先輩は素敵だなぁ・・・


そんな事を想うと
自然に顔がほころんだ。