気づけば、あなたが

次々と生徒達が入ってくる。




うちの中学からは、そんなに受験しなかったせいもあって
見知らぬ者ばかりだった。




やがて生徒達は
教室にいっぱいになる。




そんな様子を
静かに見ていた杏の肩をたたく者がいた。




「ねえ あなた陸上部の海藤さんじゃないの?」



明るく大きな声の持ち主だ。




「ええ そうだけど、あなたは?」



杏は少しばかり
戸惑っていた。




「私 ヤサカ南中の
相沢 留奈

私も陸上部だったの海藤さんと言えば
知らない者はいないくらい有名よ」


彼女はそう言ったが自分では全く意識もしていなかった。



「もちろん部活は
陸上部でしょ」


留奈にそういわれて頷いた。



すっかり
彼女のペースにはまっている。