夢の続き~天国へのloveletter~(実話)

『ママ〜後ろの帯、おかしくない??』



里沙と幼い頃から日本舞踊を習っているだけあって浴衣の着付けは独りで難無くこなせた



でも…この日だけは、完璧にしたい気持ちが何故かあった



里沙の彼氏が来るって事は 卓也君も来るかもしれない



そんなことを期待していた



『大丈夫よ!里沙ちゃんとしっかり手を繋いで迷子にならないようにね(笑)』


『もぉ〜ママはいくつだと思ってんのよ〜子供じゃないんだから!じゃあ行ってきます』



黒いシックな浴衣に合わせ髪をアップにして大好きなピンクのガーベラを飾ってメイクも我ながら完璧だった



迷子… そういえば…


幼稚園の時、里沙と金魚すくいに夢中になっててはぐれた事あったなぁ〜



『どうしたの?お兄ちゃんがパパとママ探してきてあげるから。はい綿菓子あげるから泣き止んでね』



『うん…ありがとう』



知らないお兄ちゃんと、ずっと遊んでもらった


あの時のお兄ちゃんの手の温もり今でも覚えてる



あの日以来大好物になった綿菓子…


今年も買わなきゃ…


『里沙お待たせ!きゃあ〜可愛いいじゃん』


待ち合わせにキョトンと立っていた里沙は 超可愛いかった


真っ白肌にピンクの浴衣がよく似合ってて髪型も巻き髪を可愛いく束ねていた


『恋する乙女はやっぱり違うねぇ〜』


『麗奈こそ綺麗だよ♪背も高いしモデル顔負けだね(笑)』


お互い褒め合いながら会場へと下駄を弾ませて向かった



『毎年の事だけど凄い人だね〜』



小さな町の大きなイベントとあって毎年夏祭りは大賑わいだった


『本当…どっからこんなに人集まるんだろうね。普段はここ誰もいないのにさぁ〜(笑)里沙彼氏は?どっかで待ち合わせ?』


『うん!仕事が何時に終わるか分からないから着いたら電話するんだって』


『そっか!早く会いたいんじゃない?』


『へへっ』


ほっぺを真っ赤にして照れる里沙は本当恋する乙女だった