「仕方ないな…じゃ出世払いってことでいいから…そこに座って」 と俺が目の前のオンボロの木の椅子を指差すと真琴は何も気にせずに座った。 ーー多分、別れた妻の冴子なら物凄い剣幕で怒っただろう。 俺はそれがどこか嬉しかった。