塀といい…大きな門構えといい…その辺りでは裕福な感じのする佇まいに見えた。 その大きな門を見ると木造の立派な表札に「崎山」と達筆な筆さばきで書かれていた。 真琴は流石に緊張しているのか…大きく一つ深呼吸をして門を開けた。 ーーガラガラ… 門をくぐると玄関まで10m程の石畳が敷かれ…玄関の前でもう一度深呼吸をして… 「ごめんくださーい。」 と声をかけたが…返事はなく…3回目で…ようやく左奥の庭から「なんか御用か」と老人らしき声がした。