まだ太陽が姿を見せない時間から、
制服を着ているあたしは生欠伸ばっかり。
「大石さん!」
「は、い!」
ボーッとしていた頭に響き渡る声に背筋が伸びた。
「今日は初の宿泊だけど大丈夫ね?」
「は、はいっ、勿論大丈夫ですっ!」
満面の笑みを浮かべて返事したのに、加山さんは
「あなたの“大丈夫です”ほど、不安なものはないわ」
って、じゃあ聞くなーーー!
「相手は高校生だとはいえ、間違いなくあなたより優秀な生徒さんばかりだから気を抜かないようにね」
って、失礼な!
「やっぱり、いくらガイドはいらないとはいえ、あなたを選んだのは間違いだったかしら。でも人が居なかったし……」
ボソッと呟いた加山さん。
しっかり聞こえてますけど?