すき、好き、もっとスキ。




「ぎゃ、く? ち、ち、違いますっ!」

「……うるせ」



思ったよりも大きな声を出してしまったあたしに、片耳を押さえながら気だるそうに呟かれてしまった。



「あ、すみません……。
ただ、どこかで見たことがあった気がして……」

「……」

「ごめんなさい、でした」



深々と頭を下げ、店員さんの前を通り過ぎようとした瞬間、手首を掴まれた。



「え?」



 ヤ バ イ。



これは完璧に絡まれる。

というか、どこかに連れ込まれるかもしれない。