春休みになってすぐ、デートをした。



この前買ったミニスカートを穿いて、ベンチに座って優さんが来るのを待つ。



程なく、優さんが現れた。



優さんは羽織っていた上着を脱ぐと、私の膝に掛けてくださった。



「そ、それ…二度と穿くなよ。」



「お気に、召しませんでしたの?」



腿が見えるスカート、穿くのは恥ずかしくて結構勇気要ったのにな…。



「そうじゃなくて、他の男どもに翠子の脚を見せたくない。」



そう言うと、まだ寒い中、私のために上着を脱いでいる優さんは身体を震わせた。



それは、独り占めしたいってことで…良いのかな?



だとしたら、かなり嬉しい…かも。



膝に掛けられた上着を、手にとった。



「優さん、どこか室内に入りましょう。」



「この辺で入れるのファミレスしか無いんだけど、ドリンクバーだけで良い?」



「構いません。」



私は優さんに上着を返すと、手を差し出した。



「手、握るとか無理。」



「以前は、握ってくださったのに?」



「翠子がすぐ真っ赤になって、面白かったから…。」



面白いって、酷い!