学校帰り、余合とファストフード店に寄ることになった。



小遣い無ぇって言ってるのに、アンジェリーナまで付いてくる。



俺は、花見に援軍を頼むことにした。



詳細を聞いた、普段はわりとクールな花見のセリフが楽しかった。



「嫌だと言われてもついてく…っつーか、連れて行ってください、優様。

金なら、すべてワタクシが出させていただきます。」



ウチの学校はバイト禁止だけど、花見は家の手伝いって名目があるから、バイト代が手に入る。



レジで順番待ちしてる最中、満面の笑顔を振り撒きながら



「何でも、好きなの頼んで良いよ。」



そう言うのは、花見だ。



一度でいいから、こんなセリフ言ってみたい…。



遠慮なんて言葉を知らないアンジェリーナに対し、余合は言った。



「翠子さんが召し上がったものと同じものを、お願いします。」



「頼んだの、一番安いセットなんだけど…。」



「余合さん、予算は気にしなくて良いよ。

優のサイフが痛むわけじゃないし…。」



花見、スマン…。



「私は、検証するために参りましたの。」



なるほど、翠子と同じものを食べて、何がいけないのか教えようとしてくれるのか。



余合、超良い子じゃん!



アンジェリーナも友達だったら、余合を見習って欲しいものだ。



俺がコーラだけを頼むと、花見が言った。



「優も、セット頼んで良かったのに…。」



「いくら澤弥の奢りだからって、そんなわけいかないだろ…。」



俺は、みんなが注文したものを載せたトレイを運びながら言った。