すると、
―――コンコン……
「えみ、入るぞ。」
お兄ちゃんが、部屋に入ってきた。
「風呂上がったぞ。次入れ?」
「…ん。」
私はベットで布団を被ったまま、鼻声で返事をした。
泣いてるの分かっちゃったかな…
すると、ベットが軋む感じがした。
ほのかにボディーソープのシトラスの香りがした。
布団からちょっと覗くと、お風呂上がりのお兄ちゃんが私の横に座っていた。
「何泣いてんだ?誰かに何か言われたのか?」
私の腫れた目をみて、優しく聞いてくれた。
小さい頃、よく男子にからかわれて泣いてると、いつも優しく慰めてくれたお兄ちゃん。
普段はちょっと口悪いけど…。
こうやって心配してくれるお兄ちゃん…今でも変わらなくて、頼りになる。


