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「ん……」
「えみっ?分かる?私!」
「なにゆってんの…鈴でしょー?」
「はぁ―…よかったぁ―!!」
目が覚めると、鈴が抱きついた。
ん?私なんで保健室にいるの?
「ねぇ、鈴。なんで私ここにいるの?」
「なんでって、体育のときに倒れたんだから!」
「そっか…。」
「もう、えみのバカ!心配したんだからね!」
「ごめん。」
本気で怒ってる鈴に、私はごめんとしか言えなかった。
すると、鈴はちょっと安心したような表情で…
「えみ、ダイエットなんかやめよ?えみがやってる事、えみの体をこわすだけだよ?」
「・・・・」
「なんでそんなに、焦って痩せようとしてるの?」
「・・・・」
鈴の言ってることがみんな当たってるのは分かってる、けど…
「えみは、そのままでいいんだよ?」
「それじゃあ駄目なの!痩せて可愛くならなきゃ…意味ないの!」
思わず、大きい声で怒鳴ってしまった。
「なんで?痩せてたら可愛いの?太ってたら可愛くないの?」
鈴は、そう私に聞いてきた。
それは…
「鈴には分かんないよ!痩せてて可愛くて…デブでブスで男子からプー子なんて言われてる私の気持ちなんか分かんないよ!」
「えみっ…」
私は、そう言って、荷物をもって保健室から飛び出した。
走って家まで帰った。
その間も、さっきの鈴の寂しそうな表情が頭から離れない。


