その日の夜、お風呂から上がって部屋へ戻ると、携帯がチカチカと着信ありを知らせていた。



あ、鈴だ。どうしたのかな。




「もしもし、鈴?どうした?」



「えみぃ…何か3年の真木先輩に告られたぁ~。どうしよ…。」




ありゃ、真木先輩と言えば、校内1のイケメンで大人気な人じゃん!




「うそ!あの真木先輩?すごいじゃん。
で、鈴の返事は?」



「それがね…まだなの。悩んでて…えみに相談したの。」



「こらこら、恋に縁のない私に相談するかい?ふつう。」



「だって、えみなら何か言ってくれるかなぁって思ったから~。」



「分かった分かった、泣かないで?
話、ちゃんと聞いてあげるからっ、ねっ?」




泣きかけの鈴を慌てて、慰める。




「それで…どうして悩んでるの?」



「うん・・・実は私ね、ずっと気になってる人がいたんだ。でも、叶いそうになくてね…もうこの辺で諦めるのが妥当かなって思ってさぁ…。それで他の人に目を向けたら、諦められるかなって思って…」




鈴にそんな人がいたなんて初耳…。