★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★




運転席に乗り込んだ高原さん。



シートベルトを着けて、エンジンをかけて、冷房を調整して…そんな高原さんの一連の動作をすべて目で追ってしまう。



だってその一つ一つの動作が、普段お父さんやお兄ちゃんがやってるのを見てるのとじゃ、違う感じなんだもん。



恋をしたら、いろんな事がキラキラして見えるんだよね。



好きな人がすることって、何でも素敵に見えてしまう。



高原さんは車を発進させながら、



「まずは、ソースの材料から行きますか。」


「どんな新作考えてるんですか?」



私が聞くと、高原さんは運転席側のドアポケットからリングノートを取り出して私に渡してくれた。



ノートを開くと、そこには…



「わぁ…。これ、みんな高原さんが考えたスイーツですか??」


「うん、まだ実現してないものばっかりだけどね。ほら、2ページ目のいちごの奴。」



言われてページをめくると、



「あ、いちごチャン!」


「そうそう、それも何かいまいちピンっとこなかったんだけど、えみチャンのおかげで納得いくのができたよ。」



前を見ながら、嬉しそうに笑った高原さんの横顔にまた見とれる。



そして一番新しい新作ページを開くと、
そこには…



「可愛い!お花がのってる!」



真っ白なドーム型の生地の上にお花がのってるなんともメルヘンな可愛いスイーツ。