★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★




青っぽい街灯の光りに照らされたベンチに座った先輩。



“恨んでる?俺のこと”



先輩のその言葉が、頭の中でぐるぐると回っていて私は突っ立っていた。



「こっち座れよ、佑月。」



先輩がベンチの隣りをポンポンとする。



遠慮がちに隣りに座る、と言っても私が座ったらベンチの半分はとっちゃうけど。



「あの、バレンタインの日…本当に最低なことしてしまったと思ってる。」


「先輩、覚えてたんですね。」



私がそう呟くと、先輩はバッと私の方を向いた。



「忘れるわけないだろ、佑月に…あんなひでぇことして…。」


「先輩…」



正直、覚えてるわけないって思ってた。



だって、バレンタインの出来事から…久しぶりに学校に来たとき、先輩何にも言ってくれなかったから。



というか、話すこともないまま…先輩は卒業していったんだ。



ただ、友達と一緒になって私をからかって遊んだだけなんだ…



そう思うしかなかった。あのときは。