青っぽい街灯の光りに照らされたベンチに座った先輩。
“恨んでる?俺のこと”
先輩のその言葉が、頭の中でぐるぐると回っていて私は突っ立っていた。
「こっち座れよ、佑月。」
先輩がベンチの隣りをポンポンとする。
遠慮がちに隣りに座る、と言っても私が座ったらベンチの半分はとっちゃうけど。
「あの、バレンタインの日…本当に最低なことしてしまったと思ってる。」
「先輩、覚えてたんですね。」
私がそう呟くと、先輩はバッと私の方を向いた。
「忘れるわけないだろ、佑月に…あんなひでぇことして…。」
「先輩…」
正直、覚えてるわけないって思ってた。
だって、バレンタインの出来事から…久しぶりに学校に来たとき、先輩何にも言ってくれなかったから。
というか、話すこともないまま…先輩は卒業していったんだ。
ただ、友達と一緒になって私をからかって遊んだだけなんだ…
そう思うしかなかった。あのときは。


