「えみ、ちょっといいか?」
「いいよ、別に。」
お兄ちゃんは、ドアを閉めて部屋へ入ってきた。
そして、いつものようにベットへばふっと座り込んだ。
髪が濡れてるし上半身裸ってことは、お風呂上がりらしい。
いつもより、エロい。(見た感じが。)
改めていうけど、何でかお兄ちゃんにドキドキとかしないんだよなぁ~。
高原さんの裸(もちろん上半身だよ!!)見てしまった時は、あんなに心臓バクバクになったのに。
「何か、今日ありがとな。」
な、何?突然。
「なんて言うんだろうな…その、だから」
「もう、はっきり言えば?」
いつもはいらないことまでペラペラ喋るくせに、はっきりしないお兄ちゃんに私はそう促した。
「いやさ、実は今…鈴ちゃんと気まずかったんだよな。いろいろあって。」
そう言って、お兄ちゃんはハハッと決まりが悪そうに笑った。
鈴は何も言わないから私は知らなかったけど、2人にもいろいろあったんだよね。


