★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★




「おい、えみ…」



やっと目が覚めて、しゃんとしたのかお兄ちゃんが鈴を見て、状況を私に聞こうとした…



「お兄ちゃん、もう暗いから鈴送ってってあげてよ。すぐそこの辺だけどさ。」



私はお兄ちゃんに鈴の送りを頼んだ。



すると、鈴は恥ずかしそうにふるふると頭を横に振る。



でも、私より先に…



「鈴チャン、送ってくよ。」


「え、ぁ、ちょっ…」



お兄ちゃんが、鈴の手を握って歩き出した。



くくっ。鈴慌てて可愛いっ♪



お兄ちゃんも、送ってくよ、じゃなくて送らせて、って言えばいいものを~。



「鈴っ!」



ちょこんとお兄ちゃんの横を歩く鈴を呼んだ。



ちょっと赤い顔で振り向いた鈴に、



「泣いちゃったおわびだから!」



そう叫んだ。



鈴はコクンと頷くと、ちょっとお兄ちゃんを見上げてから、私にとびっきりのはにかみ笑顔を向けた。



それから、お似合いな2人の後ろ姿を眺めてから、家に入った。