「あ、帰ってきた!」
「えみっ。」
教室へ戻ると、待ちかねていたかのように、鈴が抱きついてきた。
それも、真由子や夏子達まで…
みんな、待っててくれたんだぁ…。
「へへっ、ボロクソ言われちゃった。」
そう言って、ちょっとおどけて舌を出す。
すると、鈴を始めにみんな揃ってため息をついた。
「ふぅ、泣きなよ。私達しかいないんだから。…強がんないの。えみのばかぁ。」
「鈴っ…。みんなぁ~。」
私は、泣いた。放課後の教室で。
自分より華奢で小さい鈴に抱きついて。
周りには、背中をさすってくれる砂菜、何故か泣き出した夏子とあいチャン、それを見て笑いながら慰める真由子。
泣いてても、心強かった。
こんな最高に優しい親友と、友達がいたから。
それから、気が済むまで泣き通した私は、鈴と一緒に家に向かった。


