「高原さん、何でこんなところに?」
鈴がそう聞くと、高原さんは右手に持っている紙袋からキレイな和紙や千代紙を取り出して見せてくれた。
「わぁ~、キレイ!ねぇ、えみっ?」
「うん、可愛い!」
「でしょ?お菓子の下に敷こうと思って、和雑貨の店を回ってたんだ。2人は?」
見せてくれた和紙や千代紙を丁寧に袋へ戻しながら、高原さんが聞いてきた。
何かそうやって、何気ない仕草も高原さんがすると、かっこいい。
「私達は、ちょっと彼氏の誕生日プレゼントを買いに。」
鈴も高原さんに小さな白い雑貨屋さんの紙袋を見せながら答えた。
「そっか。君たち高校生だもんな~、鈴チャンの彼氏に?」
「はい。」
「えみチャンは?」
突然話を振られて、思わず慌てる。
それにだって、何か高原さんのそのちょっと首を傾げて聞いてくる感じに、またきゅんてしちゃってっっ!!
「え、え、何がですか??」
「彼氏、いる?」
「そんな!滅相もありません!彼氏なんてそんな!」
た、高原さん!?
この私、クラスでプー子と呼ばれてるこのおデブに彼氏がいるとお思いですか!?


