★花よりスイーツ☆スイーツよりあなた★




日焼けして茶色くなった髪、



愛嬌のあるタレ目…



1年前と変わらないあの人。



私が初めて本気で好きになった人。



「えみチャン?食べないの?」


「えっ、あ…た、食べます。」


「どうした?」


「いえ、な…何でも……」



固まったままの私を不思議に思ってる高原さん。



だめだめ、気にしない②。
もう忘れたんだもん、知らない人。



私は斜め前の席が気になりつつも、手元のアイスに意識を集中させる。



だけど、



「あれ?…佑月?佑月だよな。」


「え…………先輩。」



どこにいたって、デブは存在を消すことなんかできない。



私に気づいたあの人は、席を立ちこちらに向かって歩いてきた。



私の心臓は、高原さんに対してとはまた違う…ドキドキと胸を打っていた。



「久しぶりだな、こんなとこで会うなんて偶然。」


「そう…ですね。」


「元気してた?」


「…はい。先輩は…?」


「バリバリで大学行ってるよ。」



やだ…



泣いてしまいそう…。



だって、先輩の笑顔が…あれから変わってないんだもん。