日焼けして茶色くなった髪、
愛嬌のあるタレ目…
1年前と変わらないあの人。
私が初めて本気で好きになった人。
「えみチャン?食べないの?」
「えっ、あ…た、食べます。」
「どうした?」
「いえ、な…何でも……」
固まったままの私を不思議に思ってる高原さん。
だめだめ、気にしない②。
もう忘れたんだもん、知らない人。
私は斜め前の席が気になりつつも、手元のアイスに意識を集中させる。
だけど、
「あれ?…佑月?佑月だよな。」
「え…………先輩。」
どこにいたって、デブは存在を消すことなんかできない。
私に気づいたあの人は、席を立ちこちらに向かって歩いてきた。
私の心臓は、高原さんに対してとはまた違う…ドキドキと胸を打っていた。
「久しぶりだな、こんなとこで会うなんて偶然。」
「そう…ですね。」
「元気してた?」
「…はい。先輩は…?」
「バリバリで大学行ってるよ。」
やだ…
泣いてしまいそう…。
だって、先輩の笑顔が…あれから変わってないんだもん。


