そんな事を考えてるうちに…
少し忘れる事ができそうだった朝の出来事を思い出してしまった。
すっかり空っぽになった土鍋を洗いながら、私は胸が締め付けられるような気持ちになっていた。
こう言うのは嫌だけど…
あの黒板に、あんなひどい事を書いた…
犯人…がわかったから。
………ザァーザァー
水道から流れる水の音が、耳障りに感じた。
食器を流し終え、蛇口を締めると…
ポタ…ポタン…。
朝締めたはずの私の涙腺が…緩んだ。
ピカピカのシンクに、私の大粒の涙が悲しく落ちていく。
「…どうして…?どうしてなの…?」
声にならない言葉が私の口から虚しくこぼれる。


