「ごめん、買えたんだけどね…」
私がボソッと言うと、鈴は不思議に思ったのか、私の前にいる3年の先輩と晴香ちゃんを見た。
晴香ちゃんがいたことで何か感づいたのか、鈴は笑顔で3年の先輩に…
「どうしたんですか、高木先輩?」
「鈴ちゃん。」
さすが学校のアイドル…鈴。
先輩、めっちゃ嬉しそうだし。
そんな先輩の様子にイラッときたのか、晴香ちゃんが何だか敵対心むき出しでずいっと出てきた。
「いちごミルクがもう売り切れで、佑月先輩にいちごミルクを譲って下さいって頼んでただけですけど?」
「そうなの?」
「う、うん…私が最後だったみたい」
私が苦笑いで、そう言うと…
「高木先輩、今日は諦めてもらえないですか?」
鈴が先輩に申し訳なさそうにそう聞いた。
「いいよ全然。なっ、晴香ちゃん?」
「えー。」
納得いかなそうな顔をした晴香ちゃん。
すると、鈴は…
「ごめんね?順番っていうものがあるんだよ。ねっ、おばちゃん?」
売店のおばちゃんに尋ねた。
おばちゃんも優しげな笑顔で頷いた。
「ふん。」
漫画に出てくるような、退散シーンだった。


