「はぁーあ…。」
「ため息なんかついてどうした?」
「ぅわぁっ!」
あまりにも考え込みすぎて、きなこアイスを持ってきた高原さんに気づかなかった!
「恋の悩み~?」
「えっ!?」
「あ、図星?えみチャンも恋する乙女だね~。はい、きなこアイスお待ちどうさま」
「あ、ありがとうございます。」
高原さんからきなこアイスを受けとると、恥ずかしいのをごまかすように、夢中でアイスを口に運ぶ。
そんな私を、ニコニコと肘をつきながら向かい側で見てる高原さん。
ハズい。
何かこんな光景、前にもあったような…
そんな穏やかな時間が流れていた。
するとその時、
―――ガラリ…
お店の出入り口の引き戸が開いた。


