毎月のバイト代は新幹線代に消えて。


日常のふとした瞬間にも彼を思い出す。


寂しくて、寂しくて、電話でいいから声を聞きたいと思うけれど。


声を聞いたら会いたくなるのは必至だから。


できる限り我慢する。


それに、どうしても京都で学びたいといった彼。


研究と、バイトで忙しいのに、私との電話で時間を使わせたくない。


だから、返事はいらないよ、と文面の最後に付けた短いメールを送る。


私は大丈夫だから、と表情の見えない文章にして。