「本当に、ここでいいのか?」


彼が、心配そうな顔で私を見る。


彼の部屋の前。


ここでいいよ、と見送りを断ったのは、ついさっき。


「うん。大丈夫だよ。駅まですぐだから」


それに、タクシー呼んだしね?


夜道が危ないから駅まで送る、といった彼。


それを断るのに、いつも苦労する。


「それじゃあ、また来月ね?」