せっかくの休日だから、彼女は昼下がりまで眠っていた。ちょうどテレビではお笑い番組をやっている。それを朝の支度をしながら視る。別にどこに行く予定もない。ただ、起きたら化粧をしないと落ち着かない。それだけだ。
一通りの化粧を終えると、小腹が空いてくる。これもいつもと同じだ。
「コンビニでも行こうかな?」
と言いながらも、どこで昼食を買うのか決まっている訳ではない。コンビニはいつも仕事に行っている時に食べているから、出来るなら食べたくない。飽きている。つまり、単なる口癖だ。幸いな事に、彼女の家の近所にはおいしいパン屋がある。今日の昼食はそこにしよう、そう思い彼女は家を出た。
オートロックを抜け、外に出ると気持ちのいい冬晴れだ。どこまでも空が拡がっている。碧に抱かれ、彼女は歩き出した。