「ならば…私はもう下界へ降りても良いのだな?」 焔の声は弾んでいた。 「焔…お前は何故そんなに下界へ降りたいんだ?」 神鳴は、長身を屈め焔の両肩に手を置くと彼女の顔を見つめた。 彼は盲(めしい)である事が、未だ信じられぬ焔のキラキラと輝く琥珀色の瞳を覗き込む。 「だって…。それが鬼の務めだから…。」 「務めか…。」 「人は死んで鬼になる。鬼は現世の人を守らねばならない。」 そう言って、焔は誇らしげに胸を反らした。