「今年も花の出来は良いようだな。春は良い季節だ…花々が生命力に溢れている。」 面から覗く口元が僅かに綻ぶ。 その様子に、梅兼も目を細め何度も首を縦に振った。 「それと…。いつも言うことだが、真白達娘らを彼に近づけてはならぬぞ。」 「はい。お気遣いありがとうございます。」 一総は、彼の言葉に短く答えるとサッと踵を返しその場を去った。 「…一総様も、あのような上役の下で大変だろうに。お心配りの出来たお方だ。」 梅兼は、彼の背中を見送りながら仲間の畑役に言った。