「焔殿、昨夜は良く眠れたかな?」 焔が母屋に行くと、早速真白の父梅兼(ばいけん)が声をかけてきた。 頭巾から覗く揉み上げに、白いものが混じり始めた初老の男は柔和な顔を彼女に向けた。 「はい。寝心地が良くて、すっかり寝過ごしてしまった。真白が戻ったらここを失礼しようかと思う…。」 焔の言葉に、梅兼は首を振り言葉を続けた。 「その事なんだが、お前さんは奉公先を探しているんだろう?ここで私達と一緒に花を作ってみないかね?」 「えっ。」 焔は、梅兼の言葉に驚きシパシパと目を瞬かせた。