「焔、焔!」 背後からの声に、娘は驚き振り返った。 「ああ、神鳴(なるかみ)。」 焔(ほむら)と呼ばれた娘は、声の主を振り向き夢見るような声で彼の名を呼んだ。 その様子を見て、神鳴と呼ばれた青年は首を振り口元に笑みを浮かべた。 「又、ここで下界を眺めていたのか。」 「…神鳴、その口調は…私に説教をするつもりだな?」 焔は、そう言いながら風に乱れた髪を器用な手つきで纏め頭の天辺に結い上げた。