鬼神の舞

焔は、戦の炎に巻かれて死んだ。

炎に焼かれて死んだ者は炎鬼になり、水で死んだ者は水鬼になる。
現世に恨みを残して死んだ者は…悪鬼や邪鬼になる。
炎鬼は水を嫌い、水鬼は雷を嫌い、悪しき鬼は…祈りの声を嫌うのだ。
人の生まれ変わりの鬼は…神鳴の様な鬼神とは違い不死ではない。
禁忌に触れれば、いずれは命を落とすのだ。


焔の胃の腑が痛んだのも、水を含んだ粥のせいだった。



だって…とても美味かったんだ…。

焔は、ほぅと息を吐いた。
彼女が真白と並んで食べた粥は、とても懐かしい味がした。
もしかすると…それは遠い記憶の中の母の味だったのかもしれぬ。
焔はそう思いながら、ザワザワと風に揺れる木立の下に屈んだまま痛みが治まるのをジッと待った。