-橋の上-
びょぉぉぉ
焔と神鳴を乗せた雷雲は物凄い速さで走った。
冷たい大気は巻き上がる風に切り刻まれ、焔の頬を容赦なく打った。
びょぅびょう
びょぉぉぉ
神鳴は、強風に焔が飛ばされぬ様彼女の肩をしっかりと片手で抱き耳元に口を寄せ言った。
「この下に、箕舞という町がある。その町の外れに人ではない者が渡る橋がある。そこの袂にお前を降ろそう。その橋を渡れば…お前は人の世に行く事が出来る。」
「わかった…。」
焔は、風に乱れる黒髪を両手で押さえながら町を見下ろし答えた。
碁盤の目の様に整然と整備された路が美しい箕舞の町はすぐそこにあった。


