濡れた手に掴まれただけで肌があの様に爛れるとは…。 一総は、彼女の両手の傷に貝殻に入った軟膏を塗り手拭をビリリと裂くとそこを覆った。 とりあえず、傷の手当はこれで良い。 だが、焔は私の素顔を見てしまったな。 利発そうな娘だ…私が物の怪を見る事が出来る事に気づいただろう。 面倒な事になった…。 一総はぼそりと言うと、鬼面を覆った。 そして焔を背負うと、将之の愛馬の手綱を取り畑道を歩き出した。