父を俺に投影するかのように彼女は俺をことさら可愛がり、彼女の欲求の時間以外は全てを俺の為に使った。 母の死、父の死を記憶と記録上の事実として認識しながらも、ママの愛情を目一杯注がれ生きてきた俺には、彼女はなくてはならない存在で有り、彼女もまたそうであった。 淡く残る不快な記憶はトラウマとして俺の中に生き続け、俺を愛して育てる彼女に対しての“独占欲”へと次第に変わって行った。 母としての愛情と、異性としての愛情を錯覚しだしたのはある程度の年齢になってから……だった。