蝉が鳴いている。
五月蝿いほど。
そんなに主張しなくてもいいのに。
ただでさえ暑いのに鳴き声のせいで更に暑さが増す。
気付けば7月も半ば。高校に入学して3ヶ月が経とうとしている。
「暑いなぁ…」
陽は頭上にあり、容赦なく照り付ける。
期末テストも終わり、あとは夏休みを待つだけ。
私は教室を後にし、ある場所に向かって歩く。
賑やかな声が次第に小さくなっていく。
…群れるのは苦手だ。