葬儀屋少女

「8000万!」

「8900万!」

人々の騒めき。
異様な雰囲気。

漆黒の少女は、目を覚ます。

売られている。

それだけが、理解できた。

そんな中。

「5億」

よく知っている声が、
少女の耳に届いた。

水を打ったように静まり返る場内。

「これで満足だろ?」

シュルリ、と目隠しがとかれた。

「…買い戻すなんてね」

「当たり前だろ?」

青年は姉に札束を投げてよこすと漆黒の少女へと駆け寄った。

「…遅くてよ、死神」

「…フ。じゃ、俺のアンタに手を出した報復をうける時間だ」

青年が宙に手をかざした。
人々は、逃げ惑う逃げ惑う。