「死神っ!」

躪とした、それでいて緊迫した声が闇に響いた。

「何処にいるの!死神!」

やがてそれは、
泣き出しそうな声へと。

「葬儀屋はあっちだ!」

青年のそれとは違う、
男の声が闇を揺るがした。

「捕まえて!いい見せ物になるわよ」

続いて、女の声。

漆黒の少女は絶望をする。
青年が、いないことに?
それとも─…。

「私は…生きていてよ…」

ことの成行、数時間前。